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水銀除去システム

排ガスに含まれる水銀は、ガス状の水銀(0価の水銀=気化した金属水銀)と、粒子状の水銀(1価や2価の水銀=多くは塩化物や硫化物などの形態で、排ガス中では固体粒子や水溶液ミストとして存在)とに分けることができます。後者の粒子状の水銀は電気集塵機で約99%以上除去することができますが、前者のガス状の水銀は電気集塵機ではほとんど除去することはできません。
当社では、排ガス中のガス状水銀を高効率で吸着・除去する吸着剤を実用化し、活性炭等の吸着材より大幅なコスト低減を実現しました。(当社では吸着塔の設計・製作・据付工事も行います。)

特徴

  • 高い除去効:果例えば吸着剤厚さ=1500mm、塔内ガス流速=0.2m/s程度の場合、95%~98%程度の除去率が期待できます。
  • 低圧損:塔内ガス流速が0.2m/sのとき、吸着剤による圧損は約0.2kPa/m程度です。
  • 長寿命二酸化:硫黄(SO2)ガス存在下でも、数年~10年程度の長寿命の実績があります。
  • その他:活性炭と異なり、ガス中の水分で除去率が低下することはありません。

適用例

右図は排ガスに二酸化硫黄(SO2)ガスを含む硫酸製造設備への適用例です。 排ガス中のダストが吸着剤に付着することによって圧損が上昇したり、吸着性能が低下することを避けるため、吸着剤を充填した吸着塔は湿式電気集塵機(ESP)の下流側に設置します。

この他、石炭燃焼ボイラ、産廃燃焼炉等、非鉄製錬以外の排ガス処理プロセスにも広く適用可能です。

精製塔(吸着塔)を含むシステムとして、ぜひご相談下さい。

硫酸製造設備への適用例

水銀の排ガス規制

2016年、大気汚染防止法が改正され、非鉄金属製錬はもとより、石炭燃焼ボイラー、産廃燃焼炉にも排気ガス中の水銀の排出基準が設定され、既存設備に関しても排ガスの水銀除去が求められることとなりました。

水銀大気排出基準 2016.3.22(大防止法にもとづく制定基準)

一次施設:
鉱石及び精鉱を主な原料(50%以上)とする
炉及びその前後工程一連の炉
二次施設:
炉滓等を主な原料(硫化鉱・精鉱が50%未満)とする
炉及びその前後工程一連の炉

実ガスでの吸着剤のテスト

SMMECでは、排ガス(実ガス)で水銀除去性能を試験する、小型の吸着試験装置を用意しています。オンサイトにて排ガスを試験装置に導入し、除去性能等の確認をすることができます。

本試験装置は、吸着剤を装填した小型の吸着試験筒に実ガスを通し、試験筒の入口及び出口でのガス状水銀の濃度を測定するものです。
各条件での除去性能を評価することにより、実機化に向けた性能評価・適用性の確認を行うことができます。

小型試験筒の一例